三重県気候変動適応センター

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センター活動記録

2024.10.03

森林を守り、林業を未来へつなげたい(その3)  ~作業環境の変化、森林と生き物の変化~

松阪飯南森林組合

この記事は2023年9月26日に実施したヒアリングに基づき
三重県気候変動適応センターが作成しました。

作業環境の変化

 数年前から夏の暑さへの安全対策として、空調服や塩分補給のタブレット、経口補水液の貸与や支給を行うようになりました。
 夏場の作業については、休憩時間をこまめにとるように周知しています。休憩時間はお昼の1時間の他に、午前15分、午後15分という規則ですが、それ以外でも、作業員が自分で判断して休みを取るように声掛けしています。

 また、今年(2023年)の夏場は、毎日のように雷雨や落雷が発生し、そのたびに30分~1時間程度の作業の一時中断を行うことがありました。全体の就業時間に変わりはないのですが、作業量としてはかなりの減少があると感じています。

森林と生き物の変化

 現在の松阪市は平成17年(2005年)に1市4町が合併してできました。一番西側、奈良県境に接するのが旧飯高町で、その東に旧飯南町、旧松阪市の順に並んでいます。

 20年前にはこの地域でヤマビルを見ることはありませんでした。最近は、旧飯高町蓮方面から旧飯南町、旧松阪市内の一部にまでヤマビルの生息地が広がっています。

 ニホンジカは直近では、やや減少傾向にありますが、以前に比べると、数が大幅に増えています。

 過去には、飯高町の奥地では、深く降り積もった雪によって腹がつかえて動けなくなったシカが死んだことがあったと聞いています。
 近年、雪は積もっても数センチ程度で、数日で溶けてしまいます。猟師が減ったことも関係しているでしょうが、雪の減少もシカの数が増えている原因になっているのではないかと思います。

 以前は、植林をした後に、シカ等が苗を食べないように獣害防護柵を張ることは無かったのですが、近年は必須の作業になっています。

ニホンジカ(写真提供:三重県総合博物館)

 ツキノワグマについても、私の知る限り20年以上前に飯高の奥地で罠にかかったクマを見たのが最後でしたが、ここ最近は、飯高町や飯南町でも年に1回程度の目撃情報があります。

ツキノワグマ(写真提供:京都市動物園)

 林業では、冬に雪起こしという作業がありました。
 雪起こしは、雪圧によって倒伏した幼齢木を起こし、縄で固定して木を垂直に育てる作業です。現在は雪の量も減り、20年ほど前に実施したのを最後に、雪起こしは行われていません。
 冬以外では、近年は台風等の影響もあって、風倒木の発生が増えているように思います。

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