2026.03.03
食品ロスを減らして、地球を笑顔に~インタビュー「ぎゅーとらリサイクルセンター「ほらへん」~地域での食品資源循環を目指して~」~
国立環境研究所 気候変動適応センターが展開している「#適応しよう」キャンペーン。15の項目で整理されている「適応アクション」のひとつ、「食品ロスを減らそう」を取り上げました。
「いつも笑顔があふれる心豊かな地域社会づくり」を企業目標に掲げ、県内に29店舗を展開する地域密着型スーパーの「ぎゅーとら」。地域の環境保全にも力を入れ、令和7年1月には、地域における食品資源循環の仕組みをつくるため、リサイクルセンター「ほらへん」を開設しました。センターの開設に尽力され、その運営を指揮する安井正和総務課長にお話を伺いました。

コロッケの妖精「ココロッケ」
リサイクルセンター「ほらへん」を開設した理由
ぎゅーとらの食品リサイクル率は81.3%(令和5年度実績)で、食品小売業としては高いリサイクル率ですが、環境負荷や処分コストの面でさらなる向上が必要です。リサイクル率の向上を妨げる主な原因は、一部の店舗(伊勢志摩地域や名張市等の11店舗)の周辺にリサイクル施設がないことです。これらの店舗から1日合計約370kgの食品残さ(大半が野菜・果実の未使用部分、以下、「未使用部分」と言う)が発生していますが、これまでリサイクルできず焼却処分していました。そこで、未使用部分を肥料化する施設を 自社に設置し、さらにこれを活用した地域の食品循環システムをつくろうと考えました。「ほらへん」はその核となる施設です。

「ほらへん」を活用した地域での食品循環の流れ
「ほらへん」は松阪市にある流通センターに配置し、ここに11店舗から出た未使用部分を集約して、導入した食品残さ発酵分解装置を用いて肥料(一時発酵物)を生産しています。生産した肥料はぎゅーとら農援隊に販売し、肥料として使用、生産された農産物はぎゅーとらが仕入れ、お客様に販売しています。
令和7年10月時点で「ほらへん」による地域食品循環の取り組みに協力いただいている農援隊は1軒で、大根とブロッコリーを生産、納品してもらっています。「農作物の成長・品質も良好」、「高騰する肥料が安価買える」等、この肥料への高い評価をいただいています。現在、テスト栽培中(ネギ)の農援隊も1軒あり、今後、さらに活動の輪を広げていきたいと考えています。

これまでの成果
「ほらへん」の稼働により、CO2排出量が1ヶ月当たり約18トン削減され(令和7年1~4月の実績値に基づく)、ごみ処理コストも抑制できました。
鮮度バツグン!「ほらへん」由来の肥料で作った安全な循環型野菜をぜひご賞味ください。循環型野菜を食べて、環境負荷の削減にご協力いただければ幸いです。

食品資源の地域循環にとどまらず、各店舗では資源回収や値引きによる売れ残り(食品ロス)の削減等にも注力しています。ぎゅーとらは、環境を守るために「今できること、未来のためにできること」を考え、これからも挑み続けます。
※この記事は、三重県から委託を受け、当センターが編集を行った情報誌「しきさい」2026冬号に掲載されています。