2025.01.21
「おいしい!の笑顔」を未来へ届けたい(その2) ~気温と売り上げの関係~
井村屋グループ
この記事は2022年12月7日に実施したヒアリングに基づき、
三重県気候変動適応センターが作成しました。
なお、一部記述内容について、2024年12月現在での時点修正
を加えています。
気温と売り上げの関係
気温と商品の売れ行きの間に一定の相関関係はあると思います。日本気象協会やウェザーニュース等が提供する長期予報は業務の参考にしています。
その一方、気温以外にも商品の売れ行きを左右する要素はあります。
私たちが一番重視しているのは市場の動向です。例えば、夏に向けて、今年は例年よりも気温が低く涼しいと感じていても、小売りの側からこれだけ売りますからと言われれば、発注どおりの量を製造します。
販売期間の短い商品の場合は、少し事情が異なります。
当社では、かき氷にかける氷みつを作っています。この商品は、販売期間が3月から8月くらいまでです。販売期間が短いものは、最終的に当社のほうに売れ残りのリスクが被ってきますので、当社の判断で生産を縮小や停止することはあります。ただし、この場合でも、判断を左右するのは気温よりも販売動向のほうが大きいです。
冷夏だったのが、7月の途中から急に猛暑になったとしても、かき氷の消費がそれまでの2倍にはなりません。
要するに販売計画の進捗確認をしながら、きちんと売り切るように生産量を調整しているということです。
一方、肉まん、あんまんは、8月頃から売り出して年末までが良く売れます。だいたい11月が売り上げのピークです。年が明けた1月2月の一番寒い時期に、売り上げが伸びるわけではありません。
肌寒くなって、コンビニ等の店頭で商品に目がいって、「ああ、肉まん、あんまんの季節だな」と思って、お買い上げいただいている印象です。
暖冬だと、多少の影響はあるのでしょうが、過去を振り返って、特に売り上げが大きく減ったという記憶はありません。
もう一つ、商品の売り上げが大きく伸びる要素があります。販売促進です。
スーパーで一定の期間、特定の商品を値引き販売することがあります。あれを販促といいますが、販売促進をかけるとその商品の売り上げは目に見えて伸びます。
販促イベントがあることで、気候と売り上げの関係はわかりにくくなっていると思います。